for you・・・

これだけ有名な楽曲だから、いろいろな解釈もできるのかも知れない。
もちろん、大津あきらさんがどのような想いで創られたのか、私の知るレベルではない。
ただ、for you・・・を「あなたのために・・・」というニュアンスで終わらせたくないと思うのである。

あなたのために・・・生きていきます
あなたのために・・・この想いを伝えます
あなたのために・・・この歌を贈ります

あなたへ・・・・ありがとうといいたい

いろいろな訳し方ができるであろう
そもそも訳さなくてもよいのかも知れない。でも、私はこんな感じ方をしている。
そもそも愛は志向的なものである。一方で与えられ享受する受身の愛もあるだろう。


また、日本人的に他者を自己に包括するように、相手の存在を自己の内部へ取り込む人間関係もある。一方、西洋的に個人の感覚がしっかりしている環境では、個人の存在を明確に意識する。だから、恋愛の形も「偽りの愛」を神に誓うことになる。日本人なら「真実の愛」と表現するであろう。しかし、個人主義的な宗教倫理観では、つき詰めれば、一番自分が大切なのだ。だから、自分と同じように、「汝の隣人を愛せ」との思し召しをいただくことになる。よって、自分以上に愛せないが、愛し続けることを、神に誓い、許しを請うのである。だから、ある見方をすれば、「偽りの愛」を神に誓うのである。結婚する者同志が、誓うのではない。ここが、根本的に日本人にはわからない。

しかし、その根源には、いつまでも愛し続けたい、志向的な、いつまでもこうあってほしい
そうあり続けたいという、切ない内なる願望、内なる声の響きがあるのである。

She longs for you to do.  doはこうしてほしいといういろいろな思いである。

いつまでも
「そばにいてほしい」 のだ。その「for」 なのであると私は思っている。

離さない なくさない きっと・・・ あなたがほしい   愛がすべてが欲しい ・・・

ここて゜誤解を解いておくが、この歌は大津あきらさんが創ったもので、真梨子さんがヘンリーさんに贈った歌ではない。意味内容が似ているが、後の「恋ことば」とは、シチュエーションが違うのである。

そしてさらに、付け加えよう。
アルバムDEARのメインは、「漂流者へ・・・」である。
いまでこそ、CDは9から10曲の構成でストーリー性がわかりづらい。LPのようにふたつのパートにわかれていて、それぞれのストーリーがある構成とは異なるのである。
「for you・・・」は、名曲「Tear」とひとつの世界を創りながら輝いているのである。
だから、私は、皆さんにオリジナルアルバムを聴いていただきたいと思っているのである。

25年前のこのアルバムが、今でも通用する完成度を保ち続けて、いまでも感動できることを
私はとても嬉しく思うのである。





.










.
.

VIHX1566

ビクター音楽産業株式会社

VIH-28077